ホルンの修行
−−その驚くべき実態−−
仕事から帰ったXはすぐにでも飲みたいビールをこらえ再び車に乗り込み家を出
た。時刻は既に午後10時。スーパー農道をひた走っていつもの場所へ。ヘッド
ライトを消すとあたりは闇に包まれ、はるか遠くに街明かりがぽつりぽつり。助
手席に乗り換え、ダッシュボードとひざの間のわずかなスペースに立てるため足
を切って改造した譜面台を立て、後部座席に寝ているケースから楽器を取り出し
た。車の室内灯のわずかな明かりの下で楽譜を開き今日のオカズのCDをプレイ
ヤーに差し込んだ。オカズのCDが鳴り出すとXはこれにあわせ自分のパートを
吹き始めた。
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