山形フィルハーモニー交響楽団


中村さん(鎌倉交響楽団、Cb)からのお便りの紹介 1997.9.16

中村@CBです。

遅くなりましたが、シンホニックタイムスの原稿をお送りします。
今年は山形に行けなくて残念ですが、すばらしい演奏を期待しております。


       オーケストラ紀行「NTTフィル編」(仮題)
                               中村安孝

 私は現在、鎌倉交響楽団の他に、NTTフィルハーモニー管弦楽団(Nフィル)に所属 してます。企業名のついたオケは、東芝フィルやリコーフィルなどが有名ですが、Nフィ ルは、一昨年に発足したばかりの若いオケです。今年の1月に創立記念演奏会、7月に第 2回定期演奏会を行いました。メンバは、首都圏に住むNTTとグループ企業の社員、O Bそしてその家族です。練習は、原則月2回、土曜の午後に新宿本社ビルの食堂で行って ます。殆の人がオケの経験者で、他のアマオケとの掛け持ちも多いようです。私も、Va の妻と一緒に参加してますが、楽器運搬の不便さもあり、毎回の練習には出られない状況 です。
 企業のオケといっても、会社の所属部署はさまざまなので、仕事上の知人は少なく、む しろ他のアマオケで知り合った人達が何人かいます。雰囲気は、一言で言うと情熱のある オケです。積極的にアンサンブル大会を開いたり、ボランティアで施設を訪問する人達も います。仕事柄、企画や広報といった段取りや裏方を得意とする人が多く、運営面はしっ かりしています。また、議論が好きな人が多いのも特徴です。一昨年の準備委員会では、 名称を「NTT交響楽団」にすると略称が「N響」となってしまうのでまずい、という議 論が始まり[NTTフィル〜」に落ち着いたようです。最近は、演奏会の衣装について、 あーだのこーだのと、練習よりも熱心に話し合いをしてました。それから、各パート毎に メーリングリストがあり、いろいろな情報や話題が電子メールで日常飛び交っており、仕 事中にも飛び込んできます。私はCBのほか、妻がやっているVaのメールのメンバーに もなっており、ビオラジョークを楽しく見てます。

 演奏レベルは、管楽器を中心に比較的に安定しています。中にはテレビドラマのバック でフルートを吹いていた人もいます。Vnのまとまりがいまひとつ足りないという感じで 指揮者を困られてますが、Vaはよく鳴っていて、首席をくじ引きで決めるほどレベルは 高く(私の妻は除く)、私が経験したアマオケの中では最も良い響きのするVa族の一つ のようです。CBも他のオケで首席をやっている連中の集まりなので、出席率は低いけれ ども安心して任せられるメンバです。また、CBのメンバのうち、独身者を除けば、奥さ んがそれぞれVn、Va、VCで参加しており、家族同伴のバス会(飲み会)も賑やかで す。
 来年2月1日には、今年の9月10日にオープンしたばかりの東京オペラシティホール で第3回定期演奏会(曲は幻想)を行います。まだまだ、発展の可能性があるオケです。

 ところで、私は、鎌響やNフィルあるいは他のオケにエキストラ出演するときには、だ いたい夫婦で参加するので、2歳になる息子を神奈川にある妻の実家に預かってもらって いました。しかし、一度どうしても都合が付かないときがあり、Nフィルの練習に連れて いったことがありました。息子は毎日のように何かしら音楽を聴いているので、初めはお となしく練習を聴いていましたが、途中で飽きてくると下り番の人達が相手をしてくれて 、おかげでいろいろな楽器を覚えました。私たちにとって今一番望むことは、ベビーシッ ター制度です。私の知っている範囲では、四国の高松交響楽団で、練習の間に子供達の面 倒をみる係を当番で決めていましたが、こういう制度が充実しているオケがもし近くにあ れば、鎌響から移ってもいいかなと最近思ったりします。鎌響にも団内結婚のカップルが 多く、子供が小さいうちは夫婦のどちらかが練習を休まなければならず、オケにとっても マイナスになることがあるようです。
 鎌響は、高坂先生のご指摘のとおり、文化的に高い水準の土壌に根ざしたオケですが、 反面、成熟したオケとしての問題が最近大きくなっているようです。私は今期、運営委員 と技術委員を担当しているので、少し問題の整理ができた段階で、山フィルの皆さんにも リポートしたいと思います。
 では、マーラーの大成功を祈ってます。

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