山形フィルハーモニー交響楽団
山フィルへの想い
(山フィル45周年記念パンフレット「Welcome to 山形フィルハーモニー交響楽団」より)
荒川浩美(Horn)
みなさん、こんにちは。
私、96年5月、当地山形へ移住。
そして山フィル入団、と時を同じくし、以来ようやく2年目を迎えております。
以前は札幌にて学生オケ・アマチュアオケ等々、10年程余り楽しみまた、苦しみも
経て来た訳ですが、新天地へ移り来て改めて感じました事は、楽器ひとつ片手にオケの
門を叩けば、たちまち打ち解け、従来よりの仲間同然の付き合いが出来る嬉しさで
ありました。それにしましても、オーケストラというもの、いずこもまた同様に
多種多彩な顔ぶれで、哲学者あり、夢想家あり、工作員もいれば過激ゲリラ、熊、
羊まで・・・(注. あくまで物のたとえです。)まさしく社会の縮図そのものと
言ったところでしょうか。不思議な面白さがともすれば平凡な人生に色を添えて
くれます。
ところで、今回この作文のお題は、「山フィルについての想い」なのでありました。
さればでござる。45周年の看板を掲げ、山形音楽界のリーダー然とし、まい進する
山フィルは今、過渡期にあると思うのです。故きを温めるあまり、その保守的部分が
首をもたげたとたん、運営、更に演奏面においても、歴史ある成熟したオーケストラに
ありがちな行き詰りを感じられなくありません。なにやら近頃、かの老舗ウィーン・
フィルも、女性団員採用とやらで世間を賑わせ、ひと皮(厚い)むけた様ですし、
ここはひとつ、我らが山フィルもネガティブな思想を脱ぎ捨て、新しきを知る勇気を
持って、より一層の近代オーケストラへとステップアップしようではありませんかっ!!・・・・まるで20年前のNHK青年の主張風ですね、私も変わらなきゃ。なにはともあれ今後も末永く、この愛すべき山フィルで素敵なオーケストラ人生を送れます様
願いつつ、以上、山フィルへの篤い想いでした。
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