山形フィルハーモニー交響楽団


夜の停車駅

                    鈴木豊彦(Violin)

 昭和55年4月、私は就職して、全寮制の学校に入りました。
同室は3人、不安にかられ眠れぬ夜、FMラジオから流れてきたのが『夜の停車駅』という番組でした。
 蒸気機関車の汽笛とドラフト音が遠くから聞こえ、目の前に停車。すると、江守徹さんの落ち着いたナレーションが始まり、 後ろにはラフマニノフ作曲のヴォカリーズが流れます。
 番組は、眠りを誘う静かな曲と、時折り間に挟まれる詩の朗読など、いつも素敵な内容でした。
終わりにヴォカリーズが流れ、機関車が再び走り出し、汽笛が遠ざかります。
 もともとは歌詞のないソプラノの歌でしたが、その魅力的な旋律ゆえ、様々な編曲で演奏され、愛されています。
 今日、所属するアマチュアオーケストラでその曲を練習し、44年前の思いが甦りました。
 私は今月末この職場を去ります。そして来る5月、その曲を演奏する機会が来ます。
 曲の魅力が、聴いている皆さんに伝わるように、思いを込めて演奏したいと思います。
 時の流れの早さを感じながら。
 私は今月末この職場を去ります。そして来る5月、その曲を演奏する機会が来ます。
 曲の魅力が、聴いている皆さんに伝わるように、思いを込めて演奏したいと思います。
 時の流れの早さを感じながら。


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