アトリエハーロー体験記   その2


田町駅付近に仮住まい中のアトリエに到着し木村氏にご挨拶をすませると、早速呼吸法に関するレクチャーがはじめられました。氏が解くのは「シュトゥッツェン」。 「おへその上の所を引き締める」といった意味になります。シュトゥッツェンの入った息とそうでない息とでは生み出す響きに雲泥の差があるといいます。この差を見出し、それまでに単なる情報として得てきた先入観を除き、自らの生体にもっとも自然なシュトゥッツェンを見つけるのです。 木村氏曰く「弁で音の変化を容易にできなかったナチュラルホルンのころ、すべてのホルン奏者はシュトゥッツェンが完璧だったはず」。 上への音程のスキップは、先に、行く先のシュトゥッツェンを作り、下への音程のスキップは上の時のシュトゥッツェンを保つようにする等、ダブルホルンから入門したのでは取得し難い技術が潜みます。



木村氏の呼吸法に関するレクチャーはまさに「洗礼」ともいうべきもので、ここでキムラの楽器を所有するに値する奏者かどうか試される。



同行して下さった佐々木直哉氏。日本のウインナホルン界の最重要人物で、主催するホームページ「フォルカーの部屋」は幾万のウインナホルンファンを繋ぎ止める。右はマイスターより楽器(No. 31609)を授けられ新たにウインナホルンの修行僧と化したH.A♀。



一見雑然としているが機能的なアトリエの内部。顔が見えるのは「名工」市川浩氏。



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